昨年に比べて半分も映画を観ていない上に,昨年の「Before Sunrise」と「Before Sunset」が圧倒的だったので,どうしても今年の一本を決めるのが難しい.結局,選んだ映画もニアミスの首位といった感じで,特に上位三作は明日にも入れ替わるかも知れないといった具合だ.しかし,本数が少ない割にそこそこ前評判や予告なんかを踏まえて観た映画が多いので,大ハズレは少なく,平均点としては昨年を大きく上回っていると思う.尚,ついついレビューを書くのが遅れてしまって,Top 10に選んだ映画は殆どここに載せていないものになってしまったけれど,今年も60本くらいは観られているので悪しからず.
【Movie of the Year 2010】
ずっとあなたを愛してる [DVD]
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角川映画 (2010-09-09)
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京都シネマで観たフランス映画.安楽死という賛否両論あるテーマを題材にしているので,好き嫌いが分かれるのは仕方ないけれど,テーマそのものよりとにかくKristin Scott Thomasの存在感がずば抜けている.妹役のElsa Zylbersteinはじめ,キャスト全員,大味ではないけれどとても脚本もとてもいい.京都シネマにはマイナーな映画を観にちょくちょく足を運んでいたので,この映画は予告編で知ったもの.だから,主人公のジュリエットが息子を殺した罪で服役していたことは観る前から知っていたのだけれど,改めて観直してみると,こういった過去が明かされていく過程もとても丁寧かつ自然に描かれている.予告を見ずに観ていたら,最初からもっと高評価だったかも知れない.
この映画で唯一ピンと来なかった音楽も,改めて見直してみたら全然違和感を感じなかった(実はTSUTAYAで大々的にレンタルされるなんて思わなかったものだからDVDも予約購入した).多分,映画館の音響のせいでギターが耳障りに感じただけなんだろう.そんなわけで,元々今年のTop 10は間違いないだろうと思ってはいたものの,DVDで観直してみたらもう一歩引き込まれてしまって,今年のベスト作品に選ばせて貰った次第だ.
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【Top 10 Movies 2010】
- Il ya long temps que je t'aime(ずっとあなたを愛してる)(2008)
- Into The Wild(イントゥ・ザ・ワイルド)(2007)
- Hotel Rwanda(ホテル・ルワンダ)(2004)
- The Usual Suspects(ユージュアル・サスペクツ)(1995)
- Dead Poet Society(いまを生きる)(1989)
- Brave Heart(ブレイブハート)(1995)
- Le Concert(オーケストラ!)(2009)
- PARIS(パリ)(2008)
- L'Heure d'été(夏時間の庭)(2008)
- Pride & Prejudice(プライドと偏見)(2005)
一つ一つをざっくりコメントしていくと,「Into The Wild(イントゥ・ザ・ワイルド)」は価値観がストライクど真ん中の作品.ドキュメンタリー的な仕立ての映画で,自分が日々感じている疑問の一つを共有できた作品.多くの人に一度は観て貰いたい映画だった.この映画は,会社の同僚から紹介されて観たもの.紹介してくれた同僚(女性)は,好きな映画が「Before Sunrise」「Before Sunset」「Stand by Me」という奇跡的なチョイスの人で,「Into The Wild(イントゥ・ザ・ワイルド)」と「Pride & Prejudice(プライドと偏見)」はこれらと並ぶ彼女のイチオシ作品.どちらもとてもいい映画で,薦めて貰ってとても良かったのだけれど,映画の趣味は運命的なまでに合致しているのに他……いや,とにかく,映画の趣味が合っているからといって相性がいいとは限らないということだ(笑).
「Hotel Rwanda(ホテル・ルワンダ)」はルワンダ紛争を描いた作品.描かれているテーマも主人公の人間性も(必ずしも善意で動き始めたわけではないところなども),「Schindler's List(シンドラーのリスト)」に通じるものがあるけれど,政治的な宣言の匂いがしないこと,一般的に認知度の低い出来事を扱っていること(自分が無知だっただけでもあるのだが)などを考慮すれば,こちらの作品の方が圧倒的に好きな映画.ここまで挙げた三つの映画は,どれも同じくらいにいい映画だった.ストーリーや映像,演技も然ることながら,エンディングの明るい選曲がとても印象的だった.
「The Usual Suspects(ユージュアル・サスペクツ)」と「Dead Poet Society(いまを生きる)」「Brave Heart(ブレイブハート)」は今年の年明けに観た作品.どれも前評判が高いことは知っていたけれど,期待を裏切らない傑作だった.中身を全く知らないで観たのが良かった.「Le Concert(オーケストラ!)」はMélanie Laurentは勿論ステキなのだけれど,主演のAleksej Guśkowの存在感が素晴らしい.演技力という点で言えば,Kristin Scott Thomasに次ぐ名演だったと思う.コメディの要素が大きい作品ながら,クライマックスでのTchaikovskyは素晴らしかった.「PARIS(パリ)」と「L'Heure d'été(夏時間の庭)」はどちらも2008年のフランス映画.前者は,「Le Concert(オーケストラ!)」のMélanie Laurentが観たくて観た映画.フランスの御洒落さが憎らしいくらい滲んだ群像劇だった.後者は,オルセー美術館の開館20周年記念で作られた作品.小道具に実際のオルセーコレクションが登場していることが売りらしいのだが,そんなものが無くても美術ファンには十分得るものがある映画だと思う.美術館に飾られている名画や芸術品,それらがどういう“人生”を歩んで来たのか.この映画を観たあとで美術館を訪れると,絵に対する見方が少し変わる.「Pride & Prejudice(プライドと偏見)」は既に書いたとおり,同僚に薦められたもの.
今年は観た映画をこの備忘録に書き留めることに時間を割かなかったので,ここに挙げた映画のレビューも,それ以外の作品たちも,あまり時間が経ってしまったものは適宜観直すなどしつつ,時間を見つけて少しずつ書きためていければと思う.
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今年のベストを決めるにあたって,「Il ya long temps que je t'aime(ずっとあなたを愛してる)」「Into The Wild(イントゥ・ザ・ワイルド)」「Hotel Rwanda(ホテル・ルワンダ)」の三つで迷ったので,期待を込めていわゆる今年大ヒットした作品を年末にまとめて観たのだけれど,Top 10に食い込むほどの作品ではなかった.特筆すると,「Inception(インセプション)」についてはそもそもCGがあまり好きではない上に,別にテーマもコンセプトも新しくはないし,同じカテゴリならアニメの「攻殻機動隊」や「パプリカ」の方が遥かにしっかりしていると思う.そして何より期待はずれだったのが「Toy Story 3(トイ・ストーリー3)」.悪い映画ではないけれど,あそこまで大絶賛されるストーリーじゃないと思う.最初の15分と最後の5分以外は個人的にはマンネリ.あのエンディングにつなげるならもっと幾らでも緻密な構成が出来ただろうに!成長したアンディのおもちゃとの別れという,大人向けのテーマを持っていたはずなのに,物語の大半は子供向けに作られた感じ.大絶賛され過ぎて,期待度がかなり高かっただけに残念.ついでにPixar系のCGIが好きじゃないのも,この映画を手放しで絶賛できない大きな理由の一つ.
一方,来年日本で公開される映画には期待の作品が多い.「Social network」,「The King's Speech」,「The Way Back」,「Black Swan」……etc..これ以上情報を入れないで観にいこうと思っているのだけれど,今聞いている感じだと,今年のヒット作品群とは少し違った展開を見せてくれそう.監督の顔ぶれを見ても,期待して良さそうな作品が多い.というわけで,来年もいい映画に出逢えますように!
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