- 第95回記念二科展
- 国立新美術館
国立新美術館で開催されている二科展.こちらは全国巡業の展覧会である分,東京での公開期間は短いので時間のあるうちにと出掛けて来た.絵画だけでも作品は1000点近くに及び(一般的な企画展が100点前後であることを考えれば気の遠くなるような数字),これにほぼ同数の写真と,彫刻まで加わる.新美術館の1階から3階までを使った超大型の美術展は,例え熱烈な美術ファンだったとしても,観て回るだけで心身ともに疲弊しきってしまうスケールである.1000点もの作品の中で,約半分は現代アート的な難しい絵.正直なところ,よく分からない.あとで藝大の学園祭を見たときに顧みて感じたのだが,藤田嗣治の時代から続く登竜門的な展覧会ということもあって,作品達は良くも悪くも閉じているといった印象があった.中途半端でも,妥協して作品を完結させることは,こうした展覧会を目指す以上は避けられないジレンマのような気がするが,良い方向での奇抜さが感じられる作品は少なかった.
ただ,1000点もあると逆に歴代の名画家たちの作品よりも強烈な存在感を放つ作品も幾つかある.そういうのがいい.今回の展覧会でも,何時間でも観ていられそうな絵が10枚くらいあった.残念だったのは,これだけ多くの作品が展示されながらも,絵葉書になって販売されていた作品は100点あるかないかくらいのもので,自分が気に入った作品も結局1枚しか絵葉書になっていなかった.そういうわけで,図録を買おうか悩んだものの,その値段は3500円.一枚辺り3.5円だと思えば高くはないのだろうが,この展覧会の後で藝大の学園祭と渋谷の企画展をハシゴする予定があり,少なくとも渋谷では図録を買うであろうことは目に見えていたので,我慢して結局,1枚の絵葉書だけを買って帰って来た.第94回記念の図録も併せて販売されていたので,来年また来れば,今年の図録が購入できるのではないかという淡い期待を抱く.
余談として,絵画だけで疲れきってしまったので,ほとんど流す程度に観てきた写真と彫刻だが,実はこちらの方が素人目には見ていて面白いんじゃないかなと後になって思った.


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