2012/08/20

雑記#013

 ルーマニアの邦人殺害事件を受けて回顧.

 5月に,インドでパスポートとカードの盗難に遭った.鞄の防犯ひもはさっくりナイフで切られていて,事後処理が一通り済んだいまとなっては,命の危険にさらされなかっただけ良かったと思う.痛い目に遭ったのは自分の中ではやっぱりいい戒めになってて,あれが無かったらいつまでも油断しっ放しで必ずどこかで事件に巻き込まれてただろうなとは思う.

 実際のところなんて自分で見てみないと分からない,っていうのは自分の行動原理の一つで,去年,南アフリカを一人旅したときもそういう気持ちでいたわけだけど,帰って来てみたら完全に油断してしまった.
 「南アは危ない」という外務省のフレコミを信じて,実は南アが安全な国だったっていう主観的な視点を持てなかったという意味で,この旅は本来の目的を達成できなかったといっていい.

 世界を旅したいモチベーションは全く衰えないけど,旅に限らず,危険か否か,どうすべきか,何が大切か,そういうことを色眼鏡ナシでちゃんと判断できる人でありたいと思う.

 最後に,被害者の冥福を心よりお祈りします.

2011/09/29

雑記#012

ダイエット SHINGO
ダイエット SHINGO
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香取 慎吾
マガジンハウス
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【6月中旬】
体重:85㎏
体脂肪率:26%

【9月上旬】
体重:66㎏
体脂肪率:10%

 最早いまは完全にスポーツマン体型.というわけで久々に大幅な減量をやってのけたのだけれど,もう若くないということなのか,身体のあちこちに弊害が出て来た.もう少し体脂肪率を落とそうかとも思っていたのだけれど,やっぱり大幅な体重の増減は身体に負担が大き過ぎる.

 高校時代の後半くらいから,
①痩せようと思えば痩せられる.
②甘いものと油っぽいものとしょっぱいものを食べ放題.
③20㎏くらい太ったところで何かをきっかけに減量.
というサイクルを周期的に繰り返して来たのだけれど,太るときも不健康な太り方,落とすときは限りなく健全な落とし方ではあるもののペースが急過ぎて身体に過剰な負担,という感じだったので,常に身体のどこかは痛めつけてたといっていい.

 年も年なので,これからは「現状キープ」を意識しよう.食べ過ぎたら少し体を動かす,落ちそうなら食べる量を増やす,一人暮らしが長く食べたいものをやや優先的に食べてたところから,バランスも今まで以上に考える.

 そういってライフサイクルをいろんな面でガラッと変えて一週間.
 やっぱ健康が一番だな,と納得せざるを得ないくらい快調です.

2011/04/10

朝比奈あすか『憂鬱なハズビーン』

憂鬱なハスビーン (講談社文庫)
朝比奈 あすか
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 『彼女のしあわせ』が面白かったので,同じ著者の代表作として購入.東大卒で有名企業に就職するも,同じく東大卒の弁護士さんとの結婚で専業主婦に.そんな主人公が抱える不満や憤りが描かれる.

 多分,バックグラウンド関係なしで読んだら,意外性や発見があるのだろうけれど,自分としては寧ろ日常的なストーリーだったというのが正直な感想.世間的に勝ち組と言われる人種の憂鬱,みたいなものがテーマの一つだと思うのだけれど,自分も世間的には高学歴,大手企業の本部勤務,という似たような境遇なので,周りで落ちぶれていった人間は幾らでも見ているし,寧ろ学歴なんて本人の幸せとは何の関係もないと確信しているクチなので,ごくごくありきたりな拗ねた女性の物語になってしまった感がある.

 この物語から得られる教訓は,人のせいにするな,ということ.主人公は,自分の育ってきた家庭に大きなコンプレックスを抱くと同時に,自分の経歴に大きなプライドを持っている.そして,現状の憂鬱をそれらにあてつけてしまっている感があるのだけれど,結局は自分が選んだ道でしかないのだ.加えて言えば,彼女の不幸は,それ以外の選択肢を考える余裕がなかったところにあると思う.

 先日,立教新座高校の校長の言葉(http://niiza.rikkyo.ac.jp/news/2011/03/8549/)が大きな話題になった.この校長の言わんとすることは,自分が高校時代からずっと思い続けて来たことでもあり,時には説教がましく受験生に投げかけても来たことでもある.同じ大学に進学するにも,ほかに道は幾らでもあって,それらを比べた上で自分がこの道を選ぶということが大事なのだ.会社に入るにも,有名企業に就職することではなくて自分の意志で納得した進路を選ぶことが大事なのだ(就職市場の歪みっぷりからなかなかそれは難しくもあるのだけれど).
 この物語の描く“日常”は,日本社会のおかしな仕組みを感じさせた.

朝比奈あすか『彼女のしあわせ』

彼女のしあわせ
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朝比奈 あすか
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 本屋さんで見かけてもこのタイトルなら絶対に思いつきで買ったりはしないけれど,Amazonのおススメで挙がって来たのが目について,そこそこ評判も良かったので試しに購入.到着したその日に読み始めて,その日のうちに読み終えてしまった一冊.仕事が忙しくなって来た年明け以降でこういう読み方をした本は珍しい.

 母と三人娘の物語が,それぞれ短編として収録されている.こういう,短編だけれど実は長編,というスタイル,最近の流行なのかな.文才のある人がやると,関係性が見えたときに推理小説でトリックが明かされたときのような衝撃がある.この小説では元々一人称がそれぞれ家族ということが明かされているので,推理小説的な驚きはないものの,一つの家族の中の様々な視点や秘密の設定が緻密で,これまた面白い作品だった.

 三女は新婦さん.人に言えない過去の傷跡と,生まれつき抱えた身体の問題を抱えつつ,素敵なフィアンセと共に温かい一歩を踏み出す.次女は田舎暮らしの奥様.勢いで転居,結婚,出産と駆け足で人生を走る中で,見失いがちだった夫婦の絆やママ友との支えあいを取り戻していく.長女はバリバリのキャリアウーマン.自分の中の価値観と,周りの求める価値観とのギャップに煮え切らない思いを抱えるも,仕事の中で答えの形を確かめながら新たなステップを踏み出す.母は専業主婦.娘たちの多種多様な生活を垣間見て,自分の人生に穴のようなものを感じつつも,他人も持つ様々な穴を垣間見つつ,自分の立ち位置を模索していく.

 自分が男性だからかも知れないけれど,最近よくありそうなタイトルでは勿体ないくらい色々な発見のある一冊だった.女性的な視点で見れば,男性にこそ読んで欲しい一冊,なんじゃないだろうか.

宮下奈都『メロディ・フェア』

メロディ・フェア
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宮下 奈都
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 宮下奈都さんの最新作,『メロディ・フェア』.発売されて直ぐに購入し,買ったその日に読み終えたものの,レビューは随分と遅れてしまった.宮下流ともいうべき,才能や幸福の芽を発見する,というやり方は相変わらずで,前作での少し趣向の違った作品からまたカムバックしたかと思いきや,今度は“気づき”の小説ではなくどちらかと言えば“気づかせ”の小説といった視点.

 田舎の化粧品店に勤める主人公(ちなみに自分の中でのイメージは折笠富美子さん)が,ビューティーパートナー(美容部員)として,周りの人たちを“メイク”していく.化粧を良しとしない家族,勤務先で再会した小学校時代の変わり果てた親友,自分を頼ってきてくれるお客さん,職場の凄腕の先輩,頼りないマネジャー.そういった周りの人たちとのやり取りの中で,彼等,彼女等のしあわせを引き出していく.

 という物語も良いのだけれど,個人的には化粧のなんたるかが少し理解出来たような気がするのが大きな収穫だったかも知れない.自分は,母親も近しい女性も全く化粧をしなかったし,今でも女性はスッピンが一番美しく見える人なので,イマイチ化粧の魅力を理解しかねるところがあった.その点については以前から機会があると女友達と散々議論をして来たけれど,やっぱり彼女たちの主張の数々も今一つしっくり来なかった.
 けれどこの小説で一つ,多分こういうことなんだろう,と自分なりに噛み砕いたことは,「化粧すること」が大事なのではなくて,「適当な色で適当な化粧をすることで,より一層綺麗な(或いはTPOに合った)顔になれる」ことがミソだということ.不適当な化粧は却って毒,スッピンでもあなたはあなた.それでも尚,最高の化粧をすることによって変わる世界がある,とでも言うか何というか.

 ビューティーパートナーという仕事がどれくらいメジャーなものなのか今一つ分からないけれど(多分デパートの1階の化粧品売り場でスタンバイしている人たちもその類なんだろうと思う),やっぱり日本の女性の大多数は合わない化粧で損をしていると思うので,こういう本職の方々の腕前がどれくらいスゴいものなのか興味が湧いた.

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