2011/04/10

宮下奈都『メロディ・フェア』

メロディ・フェア
メロディ・フェア
posted with amazlet at 11.04.10
宮下 奈都
ポプラ社
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 宮下奈都さんの最新作,『メロディ・フェア』.発売されて直ぐに購入し,買ったその日に読み終えたものの,レビューは随分と遅れてしまった.宮下流ともいうべき,才能や幸福の芽を発見する,というやり方は相変わらずで,前作での少し趣向の違った作品からまたカムバックしたかと思いきや,今度は“気づき”の小説ではなくどちらかと言えば“気づかせ”の小説といった視点.

 田舎の化粧品店に勤める主人公(ちなみに自分の中でのイメージは折笠富美子さん)が,ビューティーパートナー(美容部員)として,周りの人たちを“メイク”していく.化粧を良しとしない家族,勤務先で再会した小学校時代の変わり果てた親友,自分を頼ってきてくれるお客さん,職場の凄腕の先輩,頼りないマネジャー.そういった周りの人たちとのやり取りの中で,彼等,彼女等のしあわせを引き出していく.

 という物語も良いのだけれど,個人的には化粧のなんたるかが少し理解出来たような気がするのが大きな収穫だったかも知れない.自分は,母親も近しい女性も全く化粧をしなかったし,今でも女性はスッピンが一番美しく見える人なので,イマイチ化粧の魅力を理解しかねるところがあった.その点については以前から機会があると女友達と散々議論をして来たけれど,やっぱり彼女たちの主張の数々も今一つしっくり来なかった.
 けれどこの小説で一つ,多分こういうことなんだろう,と自分なりに噛み砕いたことは,「化粧すること」が大事なのではなくて,「適当な色で適当な化粧をすることで,より一層綺麗な(或いはTPOに合った)顔になれる」ことがミソだということ.不適当な化粧は却って毒,スッピンでもあなたはあなた.それでも尚,最高の化粧をすることによって変わる世界がある,とでも言うか何というか.

 ビューティーパートナーという仕事がどれくらいメジャーなものなのか今一つ分からないけれど(多分デパートの1階の化粧品売り場でスタンバイしている人たちもその類なんだろうと思う),やっぱり日本の女性の大多数は合わない化粧で損をしていると思うので,こういう本職の方々の腕前がどれくらいスゴいものなのか興味が湧いた.

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