本当は来週あたりで行こうかと思っていたのだけれど,横浜から歩いて帰るのに丁度沿線にあることに気がついて,寄って来た.スイスの小さな街,ヴィンタートゥールの美術館の改修に伴って欧州からまわって来た巡回展で,マイナーな企画展ながら来日している顔ぶれは豪華だ.ポスターで見かけたGoghやPicassoのみならず,RenoirにDelacroix,SisleyにDegas,更にはGauguin,Monet,世紀末ウィーンのKokoschkaなどなど.自分の好きなCorotや,そのCorotが「空の王者」と絶賛したといわれるEugène Boudinの絵が観られたのも思わぬラッキーだった.Corotの絵は相変わらずいい.Corotについては何度も書かせてもらっているので語り草になりつつあるけれど,木の表現と人の小ささ,筆のタッチに色の暗さ,どれもとても自分好みだ.どちらかというと今回来日していた作品は,ややタッチが粗い感じがしたけれど,名前を見る前に誰の作品だかわかるというのはファンとして嬉しいことだ.
そして今回,初めて名前を知ったEugène Boudin.帰ってから少し調べた限りでも,期待させるものがある.空の表現も個性的でいいのだけれど,タッチもかなり好み.印象派に影響を与えた,ということだけれど,印象派とは少し違ってスケッチ風のタッチが素敵だ.油絵に似つかわしくない,爽やかさと軽さがある.そういう作風がCorotとは逆を行っていて,そういう彼の作品をCorotが支持していたというエピソードも面白みがあっていい.彼の作品,いままで意識したことはなかったけれども,これを機に少し詮索してみようかと思う.あと,個人的に驚いたのは建築家のLe Corbusierの絵画作品,「ヴァイオリン,骨,サン=シュルピス聖堂の構成またはバロック様式の聖堂とヴァイオリンの静物」.Le Corbusierがもともと絵を描いていた,みたいな話はどこかで聞いた記憶がある(多分大学時代の建築の講義とか)けれど,実物を観たのは初めて.ただし,正直サッパリわからない.ピカソのキュビズムはテーマもモチーフもわかるけれど,もっと視点がずれている気がする.Le Corbusierの建築を偉大だと思ったことは一度もないので,やっぱりこの人とは相性が悪いのだろうなとぼんやり思ってしまった.


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