2010/08/14

Invictus (2009)

インビクタス / 負けざる者たち Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)
ワーナー・ホーム・ビデオ (2010-07-14)
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 Clint Eastwood監督作品,「Invictus(インビクタス/負けざる者たち)」は,1995年のラグビー南アフリカW杯を題材に,南アフリカの人種差別問題と復興を描いた映画.映画館で観よう観ようと思っていながらバタバタしていて結局観られなかったので,BDのレンタル開始日に借りてきて観た.

 スポーツ映画ではなく,あくまで本質は政治の映画.Nelson Mandelaの大統領就任をきっかけに変わり始めた南アフリカの人種差別問題と,その象徴の一つでもあったラグビーのナショナルチーム「スプリングボクス」.新たな南アフリカの誕生とその本質を世界に訴えるべく,Mandelaが切望した自国開催大会での優勝劇が,淡々と描かれる.

 ある意味で政治の道具として利用されるスポーツの姿に賛否両論はあるだろうが,自分自身は悪いことではないと思う.そもそも人間がルール化して作り出したものに,真理や不可侵性を求めることはナンセンスだ.
 ただ,この作品に関しては,尺の関係もあってか,Mandelaの存在感と本大会での激戦ばかりがクローズされてしまっていたのをやや残念に思う.そもそも,スプリングボクスの優勝にNelson Mandelaの影響力がどれくらいあったのかが,この作品からでは感じ取れなかった.酷な言い方をすれば,ただ激励をしているくらいにしか見えないでもない.それが本質なら,Pienaarの存在にもう少し重きを置くべきだと思うし,そうでないなら,政治的なキャンペーンのプロセスや成果をもっと綿密に描くべきだと思う.本大会までのプロセスが,田舎の子供たちを訪問する一つだけではあまりに乱雑だし不自然だ.そこにあったはずの別のキャンペーンや強化練習のプロセスを見せなければ,この物語の真の立役者が,政治側にあるのか選手側にあるのか判断しかねるところがある.それとも,単に自分の勉強不足のせいか.いずれにしても,時間のあるときに本でも読んで勉強してみたい.

 とは言え,政治色をあまり濃くしてしまってはそれこそ「スポーツは政治の道具ではない」という批判の的になってしまいそうではあるし,逆に選手達の努力に焦点を当て過ぎてしまえば,主題であるはずの人種差別問題との関連性が見えなくなってしまう.このジレンマを絶妙に舵取りしているのがEastwoodの手腕だといえばそうなのかも知れないが,個人的にはもう少しメリハリのある作品を期待していただけにやや残念.勿論,期待が大き過ぎたというだけで,作品は面白いし見応えのある映画だと思う.

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