2009/06/04

コロー―光と追憶の変奏曲

  • 2008年08月17日の旧エントリから転載・改編
 上野の国立西洋美術館で開催されていた「コロー―光と追憶の変奏曲」展へ.今年は観たい美術展や博物展が幾つもあって嬉しい.時間とおさいふの許す限り出かけたい.それこそ,美術展一つを観に日帰りで東京に帰っても構わない位の行動力と情熱は持っている.

 Barbizon派の骨のある展示は山形以来.今回の目玉になっている「真珠の女」には特別興味はなくて,CorotというよりはBarbizon派の風景画が目的だった.

 Vermeerの記事でも書いた通り,宗教画ではなくて農民達の素朴で雄々しい生活が感じられる彼等の作風が好きだ.Milletにその特徴が顕著なのに対して,Corotの絵は人物がアクセント程度にしか登場していないものが多く,却って自然の雄大さが誇張されていて良かった.印象的にもそうだし,実際,方法論としても,人物が縮尺としての基準になってより風景が合理的に写実されると思う.

 また,印象派への影響力も小さくなかった事からRenoirの絵も展示されていて,先日京都で観た絵も.只,京都の時よりもRenoirのチョイスが良かったと思う.マスコミの宣伝効果もあってか,「真珠の女」の前には行列が出来て来たけれど,むしろ対面して展示されていたRenoirの女性の肖像画の方が気にいった.

 想像していたよりだいぶ人は多かったけれども,自分の観たかったあたりは比較的ゆっくり観られたし,Milletとはまた違った魅力も再発見.フランスに出かける機会があればBarbizonは必須だ.

 ともあれ,それでも全体としてのインパクトはVermeerの方が圧倒的に大.時間が無いので悠長な事は言っていられないけれども,渡独の前にVermeer関係の本を一冊読んでおきたいところ.

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