2009/06/17

ハゲタカ (2009)

映画 ハゲタカ(2枚組) [DVD]
東宝 (2010-01-15)
売り上げランキング: 213

 知人に勧められ,ドラマを観ないまま仕事帰りに映画館に駆け込んでのレイトショー.一切の予備知識なしで見たにもかかわらず(だからこそ?),抜群の臨場感と妥協のない作り込みで大満足だった.役者だけ見ても,大森南朋,玉山鉄二と個人的に好きな俳優ベスト5に入る俳優が二人も出演.柴田恭兵も大好きな役者の一人だ.

 仕事の関係で,この数カ月サブプライムとLehman Brothersに関して執拗に勉強し直していた事もあって,ことの流れを生々しく追えたのも楽しめた理由の一つ.映画は中国が仕掛けた買収劇が引き金となっての大暴落劇なので昨年の一連の流れとは構図が違うけれども,過去の世界恐慌やオイルショック,LTCM,ITバブルなどと比較出来るところが多々あって面白い.
 原作の年代を見ても,村上ファンドやライブドアの時期が念頭に置かれているのかな,とも思う.バリバリのファンド関係者だとかトレーダーが見たら新しさはない作品かも知れないが,自分のようになまじ経済をかじっている人間には刺激になる一作.

 そして何より,視点が偏っていないのがいい.

 ファンド側の強さも脆さも,情も非情も描かれる一方,企業側の情熱や現実のコントラストも鮮明に描かれる.観終わった後で,フェティッシュに価値観を押し売りするではなく,個々人に企業や経済の意義を考えさせるくらいの余裕がある.
 逆に,マスコミの偏った情報を鵜呑みにして現実を何一つ知らない大衆や,古い価値観に悪い意味で縛られ過ぎてしまっている中高年にとっては,少し価値観が変わるくらいのインパクトがあるかも知れない.個人的には数理屋よりももう少し泥臭いところでプレーヤーとして身を置いてみるのも面白いなと改めて思った.

 予備知識なしでも鷲津ファンドの過去は十分わかったけれども,ドラマの方も遠くないうちに観ようと思う.映画も公開中にもう一度くらい観に行きたいところ.

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 最後に余談.

 NHKの底力と言ってしまえばそれまでだけれど,いまだに買収劇に曝されている民放主導では,この手の作品に深くは切り込めないだろうなと思った.この映画で言うところの既得利権に裏打ちされた表現力,というか何というか.

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