2009/06/10

ゲルマン紀行#03

  • 2008年09月17日の旧エントリから転載・改編
 ケルン周辺からフランクフルトまで.地域的には小さいけれども,割と細かくまわったと思う.フランクフルト以降では一旦スイスに出てから再びドイツに戻って来たので,今回はフランクフルトまでを書き留めておいた.

【アーヘン(ドイツ)】★★★

 オランダとベルギー国境の街.どちらもアーヘンから3kmといった距離にある.観光客らしい姿はほとんど見当たらず,街ではオランダ語やベルギー語らしき言葉も飛び交う.文化も街並みも,良い意味で異国情緒の混在した街だった.
 ドイツの世界遺産第一号となったアーヘン大聖堂が一番の目的ではあったが,本当はこれに加えて記念にオランダとベルギーに入国するつもりでいた.ところが,ケルンからアーヘンに向かう途中の鈍行列車で迂闊にも一等列車に乗ってしまい,多額の罰金を請求されてしまうアクシデント.結局,節約のためにオランダ・ベルギー入りは断念.オランダには画家達を訪ねてまた来訪する機会もあるだろう.
  • 市立劇場
  • フリードリヒ・ヴィルヘルム広場
  • アーヘン大聖堂
  • アーヘン大聖堂宝物館
 八角形の丸屋根を持つ珍しい形状の大聖堂.教会を中心とした放射線状のドイツの街を象徴するように,古い伝統的な細道を縫って進んだ街の中心に厳かに立っている.隣り合って立っていた市庁舎も趣深かった.
  • 市庁舎
  • クーヴェン博物館

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【ケルン(ドイツ)】★★

 今回の旅のワーストシティ.世界遺産のケルン大聖堂は名に恥じず本当に迫力があって内装も非常に美しい.中央駅の目の前に立っているが,駅前から見るよりもライン川やケルン大学など,東西から観た方が二つの塔が連なって外観としては見事.
 ただし,それだけ.ケルンは戦災の被害が大きく,ケルン大聖堂を奇跡的に残した以外は戦争でその街並みのほとんどを失ってしまったとのことだった.結局,後に出来た街は酷く現代的で,市庁舎や博物館など一部の文化施設を除くと寧ろアメリカンな匂いすらする.

 訪れたのが月曜日だったので,博物館・美術館関係は外観のみ.
  • ケルン大聖堂
 言わずと知れたドイツを代表する教会.世界遺産にも指定されており,ドイツでは2番目に高い塔も圧巻だ.実際に塔に登ってみたが,基本的に石で造られた細身の塔を登って行くにしたがって,自分が高所恐怖症であることを思い出す.足がガクガクになりながらも先端に到達.
 ドイツの多くの街では,教会が際立って高い建築物で,教会を中心に街が作られているので秩序的な印象を覚えるのだけれど,ケルンに限っては教会よりも高い建物が雑多にあって,教会中心の区画も無いに等しかった.塔の先端から見る街並は現代的で,遠目に見えるケルンタワーが京都タワーと同じような悲壮感を漂わせる.
 オペラハウスもコンクリート固めで,今回の旅で観た中では断トツで魅力無し.
  • ケルンフィルハーモニー
  • ルートヴィヒ美術館
  • ローマ・ゲルマン博物館
  • ホーエンツォルレン橋
  • 聖マルティン教会
  • 市庁舎
  • 旧市庁舎
 ドイツに限らず,欧州の市庁舎などは教会に勝るとも劣らない見事な伝統建築を採用している場合が多い.このあたりは京都にも言えることだが,市民の生活の一部分にこういう建築が溶け込んでいるという点は日本の見習うべき点の一つだと思う.
  • 聖マリア教会
  • シュニュットゲン美術館
  • 市立劇場
  • オペラハウス
  • ケルン大学
  • 市立博物館
  • 聖ウルズラ教会

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【ボン(ドイツ)】★★★

 言わずと知れたBeethovenの街.街の随所にBeethovenの足跡が残る.中央駅はどことなく汚くて残念だったが,地方の小都市らしい暖かさと活気が感じられる街だった.

  • 大聖堂(ミュンスター)
  • ミュンスター広場
  • ベートーベン像
  • マルクト広場
  • 市庁舎
  • ベートーベンハウス
 早朝に訪れたので残念ながら中には入れず.ボンでは仕事の序に観光に来ていた香港の女性グループに声を掛けられ街中を引きずられて一緒に観光.何とザルツブルクでも偶然の再会.
  • ベートーベンホール
  • オペラハウス
  • ボン大学

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【コブレンツ(ドイツ)】★★★★

 ハノーファーと同じく,本当に少しの時間だけ立ち寄った街.コブレンツからマインツまではライン川沿いに古城が多く残り,クルージングが観光の目玉となっているが,何しろ新幹線の10倍以上時間がかかるので一区間だけクルーザーに乗ってあとは新幹線を利用.時間をかけてゆっくり観たい街.
  • レーア通り
  • ヘルツ・イエズ教会
  • 市庁舎
  • 聖母教会
  • シェンゲルの泉
  • 聖カストア教会
  • ドイツ騎士団の家
  • 選帝侯の城

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【ライン川紀行(ドイツ)】★★★★

 鉄道パスの特典で,ライン川クルージングが無料だったのだけれども,大きく時間を消費してしまうので結局一区間だけ乗って山場の古城地帯は新幹線のICEから楽しんだ.それでも,かなりの数の古城や名所を遠目に確認できて,十分楽しめたと思う.新幹線の線路が西岸なので,基本的にライン川の東岸の眺めしか見られないデメリットはあるものの,ガイドで一つ一つ確認しながらの充実した時間になった.
  • マルクスブルク城
  • マウス城
  • ネコ城
  • ローレライ
  • グーテンフェルス城
  • プファルツ城
  • ライヒェンシュタイン城
  • ラインシュタイン城
 以上二つはライン川の目玉であり,西岸ながら見る事の出来た数少ない城.新幹線からではまともな写真がほとんど撮影出来なかった.ドイツに住むような機会があれば,時間をかけて訪れたい地域の一つ.
  • ネズミの塔
  • ニーダーヴェルト記念碑

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【フランクフルト(ドイツ)】★★★

 ロンドンに次ぐ欧州の金融都市.経済に限らず,内陸の交通や流通の面でも欧州の中心的な都市.今回訪れた都市の中では最も都会的な街.しかし,焦点を美術館や博物館に絞るとなかなか見所も多い.お店のバラエティも多彩で,美味しいディナーも.例によって,太字の美術館や博物館には全て入っている.
  • シュテーデル美術研究所
 今回の旅のVermeer第三号「地理学者」の所蔵されている美術館.今回のフランクフルトの一番の目的地.「天文学者」の対の作品とされているが,読んだ本(小林頼子・朽木ゆり子,『謎解きフェルメール』,新潮社(2003))でも指摘されていた通り,言葉は悪いがVermeerの迷走が始まった作品というのも納得.色遣いやタッチがそれまでの作品と明らかに異なる.それはそれで良いのだけれども,ベルリンで傑作を観ていただけにやや期待外れ.寧ろ,Vermeer以外にRenoirらの作品で魅力的な発見が多かった.
  • リービークハウス美術館
 石膏彫刻を中心とした彫刻美術館.ギリシャ彫刻のコレクションが特に豊富.エジプトなどの古い彫刻も魅力的だった.シュテーデルと同様に,マイン川沿いの閑静な美術館通りの端に位置しており,ルネッサンス形式の建物と庭園のカフェなどもなかなか良さそうだったが,時間をフルに使いたいのでカフェには入らず.
  • 情報通信博物館
  • ドイツ建築博物館
 現代建築と伝統建築が半々くらい.現代建築の展示にも力を入れている辺り,大都市のフランクフルトらしいが,世界各国の建築資料を展示してある割に日本の建築資料が一つも無かったのは残念.ところが,最後の最後に「建築と日本のアニメ」というタイトルで建築・美術的な観点から日本のアニメ研究がなされており,ご丁寧に資料集まで出版されていたのが面白かった.日本よりよっぽどアニメに対する偏見が薄い.
  • ドイツ映画博物館
  • 大聖堂
  • ニコライ教会
  • レーマー(市庁舎)
  • パウルス教会
  • ゲーテハウス
 Goetheの生まれた家.Goetheに関する諸々の遺品や資料に加えて,コレクションとして絵画も沢山揃っていた.
  • ホウプトヴァッヘ
  • カタリーネン教会
  • 証券取引所
 欧州第二の金融都市の証券取引所をスルーするほど馬鹿ではない.NYと同じくブルズ像が取引所の前に立っていたのが面白かった.
  • ゲーテ通り
  • 日本総領事館
  • ユーロタワー
  • オペラ座
  • ユダヤ博物館
 以上,ドイツ編第一部終了.ここまでの旅で,ベルリンは非常に良かったし,美術館や博物館では発見や感動が絶えなかったけれども,全体を通じて街並や文化などで欧州らしさがいま一つ期待に届いていない感は否めなかった.一応,旅のメインディッシュはドイツだったし,この先でベルリンやケルン以上に期待していた街はミュンヘンとウィーンだけだったので,やっぱりイタリアやフランスを選んだ方が正解だったかも知れないなどともちょっと思いもした頃.

 しかし,実際のところ,旅の真のメインディッシュはこの後にあったのだった.

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【雑談】

 欧州には想像通り多くの日本人観光客がいた.もっとも,地味なドイツにはツアー客がほとんどおらず良かったのだが,ウィーンとザルツブルクは英語も喋れない老年日本人ツアー客が多く幻滅した.それはさておき,バックパッカーにせよツアー客にせよ,十中八九持っているのがダイヤモンド社の『地球の歩き方』シリーズ.自分は,ウルムの情報量が多かった別の本を持って行ったのだけれど,『地球の歩き方』にはYHなど貧乏旅行に適した情報も満載で,確かに重宝する.実際,帰国してから書店で復習用にドイツの『地球の歩き方』を買ってしまった.

 ただし,これを持っている観光客はどうしてもここに載っている宿や名所を中心に回るので,宿でも日本人同士で相部屋になるということが多いようだった.聞くと,相部屋が全員日本人などというつまらないケースも.
 自分は大抵,インターネットと現地での情報収集で宿を選んでいたので,2週間で相部屋になった日本人は2人だけ(2人とも大阪大学の学生だった).そういう意味では異国の雰囲気を少しでも楽しめたわけで,良かったとも思う.それでも,改めて比較してみると『地球の歩き方』の方がいろいろな面で便利そうなので,今後の旅の参考にもしたい.

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