2009/06/07

ルーヴル美術館展―17世紀ヨーロッパ絵画

  • ルーヴル美術館展―17世紀ヨーロッパ絵画
  • 国立西洋美術館
  • 2009年03月30日の旧エントリから転載・改編
 先々週,完全プライベートで一日東京に遊びに行って来た.目的はシンポジウムとライブと,そして国立西洋美術館で開催されていた美術展「ルーヴル美術館展―17世紀ヨーロッパ絵画」.東京でしか開催されないと思っていたのだったが,何と6月からは同じ企画展が京都に来るとの事.しかも自宅から徒歩5分の一番近い京都市美術館での開催だというから,微妙にガッカリだ.東京遠征の目的がこの美術展だけじゃなくて良かった.

 17世紀,と時代を絞ってLouvreの作品群を集めた企画展.六本木の国立新美術館では,絵画ではない文化遺産を同じくLouvreから寄せて企画展を開催しているけれども,こちらは大阪に来る事を知っていたのでスルー.

 さて,企画展の感想はと言うと,イマイチ.最大の理由は……混雑!

 三連休だったという事もあって,開場前から長蛇の列.雨の中1時間弱も並んでしまったし,中もおしくらまんじゅう状態.昨年末の2度目のVermeer展のときよりはまだいいとしても,完全にVermeerブームのあおりを受けた格好だ.

 かくいう自分も,目的の一つはVermeer.ただし,今回来日している「レースを編む女」はVermeer通の間でもあまり評価の高い作品ではないし,画集で観る限り自分もいま一つ惹かれるところがなかった.だからむしろ,どれくらい駄作なのかを確かめるくらいのひねくれた気持ちで企画展に行ったのだけれど,これまで見た傑作と比べるとタッチも荒く,何よりVermeerの最大の魅力だと感じている素朴さと光のコントラストが弱かった.

 絵画の見方は人それぞれだけれど(本音を言うと一般的にはそうでもなくて,先日も少し触れたように近代以前の芸術にはある程度想定された「見方」と「評価基準」と「作法」があるのだとは思うけれども,それを感じさせないのが逆にVermeerの魅力でもあると思う.),Vermeerという名前だけで絶賛したり唸ったりする中年世代の多い事に逆に興醒めしてしまった.

 他の作品も個々の作品では時代に屈せず独創的だったり,技巧的だったりするものもあったけれども,人が多過ぎてじっくり観られなかった上にテーマが今一つ弱くて,どちらかと言うと年代別のヒットソング集アルバムみたいな感じだった.
 美術展の常設展がある意味でベストアルバムで,企画展の魅力はもっとテーマが絞られていたり強烈だったりするところにあると思うので,企画展としては期待したほどではなかったかも.いずれにしても,もう少しじっくり観たかったので,京都に来たら散歩がてらもう一度ゆっくり観に行こうと思う.

 一方で,久し振りに観た西洋美術館の常設展の方がなかなかいいコレクションで楽しかった.昨年,Corotの展覧会で訪れた際には時間の関係で常設展はスルーしてしまったけれども,今回は時間に余裕があったのでゆっくり観てまわれた.ジャーナリスティックな印象の強いMilletの宗教的絵画や,MonetやRenoirの名作など,企画展に勝るとも劣らない作品群.人もまばらで,西洋美術館のセンスを存分に堪能出来て良かった.

0 comments:

© Crescent Moon - Template by Blogger Sablonlari - Header image by Deviantart