2010/09/20

ウフィツィ美術館自画像コレクション

 新宿は東郷青児美術館で開催されているウフィツィ美術館の自画像コレクション.ウフィツィ美術館は世界遺産の一部にも認定されているフィレンツェの美術館(というのはこの企画展に関して調べて初めて知ったのだけれど)で,そうそうたる名画家たちの作品が収められている.今回はその中から自画像だけを選んでの企画展.美術館単位での企画展は面白みにかけるものが多いけれども,今回はプラスアルファでテーマ性もあり,そこそこ期待して参上.

 一つに自画像といっても,時代から画風から何から何まで違うのでそれぞれを個別に比較することは出来ないけれども,自画像だからこそ,画家が絵にかける思いであるとか姿勢であるとかが見え隠れしていい.時代によってはパトロンや宗教の圧力が絵に加わったりもするけれども,そういった外力が一切ないからだ.

 今回の企画展でまず自分が期待していたのは,藤田嗣治.何せ,この企画展に集結している画家たちの顔ぶれを見れば,Bernini,Rembrandt,Vigée Le Brun,Chagallと,大物ぞろい.その中で日本人の自画像が堂々と並んでいるのはとても誇らしい.個人的には,この顔ぶれの中に並ぶに相応しい大物だとは思うのだけれど.
 藤田の自画像は,彼のモチーフの象徴でもある猫とともに描かれたもので,彼自身よりも隣の猫の表情がとても個性的で好きだった.彼の特徴的な薄い色彩よりも少しインパクトが効いて,日本画的な印象を感じさせる.それで描かれた猫の表情がとても荒々しく,今回の企画展の中でも異彩を放つ存在感を持っている.

 もう一つ,個人的に目に留まったのはChagall.Chagallはただいた東京藝術大学で特別展が開催されていて,巷でも静かなブームになりつつあるけれども,藝大で観たどの作品よりも彼の自画像は,温かく,色彩が柔らかく感じられた.夜をベースに彼と妻,背景にはロシアの郷愁風景が描かれる.Chagallの特徴をすべて盛り込んだような満腹感がある.

 それ以外にも,例えば彫刻の印象の強いBerniniの自画像だとか,現在bunkamuraで開催されている企画展の目玉になっているEmile Clausだとか,或いは個人的にベルリンで通り過ぎてしまっているはずのBöcklinだとか,見所は満載.絵に興味のない人が気紛れで立ち寄っても,好きな画家が一人二人は見つかる企画展だと思う.絵の説明文に併せて,画家の代表作の絵が小さく載せられているのも小さな心遣いが効いていていい.図録に同じように載せてくれたら,図録を買っても良かったんだけどなぁ…….

1 comments:

Lune さんのコメント...

 一日一ポストで何となく制限していましたが,その辺をあんまり縛らずにやっていこうと思います.過去の記事にしてタイムリーでなくなってしまったり,一日に二つ三つ書きたいことがあるのに一週遅れたり書き忘れたり,ということがたまにあるのでもう少し柔軟にやっていきます.

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