戦場のピアニスト [DVD]
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アミューズソフトエンタテインメント (2003-08-22)
売り上げランキング: 5943
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ホロコースト下のユダヤ人ピアニストのノンフィクション映画.もう何年も前に見ていたはずなのに,今年あらためて見たら全く印象が違ったのは,原作に関するエピソードを知ったからだろうか.
まず映画の前に,この原作に関して耳にしたエピソードを書きとめておこう.この本が出版されたのは戦後直後の1946年だが,日の目をみるまでに50年以上の時を要している.というのも,この物語の中でドイツ兵が主人公を助けるシーンがあったためだ.妥協して兵士がオーストリア人として描かれるも受け入れられず,本国ポーランドでは長きにわたって絶版処分を受けた問題作だったそうである.
いまの価値観からすれば,第二次世界大戦(特に悲惨な歴史のあるゲルマン圏の戦史)において,救われる思いのする物語である.もちろん,(原作の邦訳は読んでいないが)主人公がピアニストだったからこそのストーリーではあるにしても,むごすぎる歴史の一ページに射す一筋の光といっていい.芥川龍之介の『蜘蛛の糸』に似て,人間の理性を信じられる希望を与えてくれる.
にもかかわらず,この作品がつい最近まで世界的な日の目を見なかったということは,世界が大戦を負の歴史として省みていなかった証でもある(ポーランドにおける冷戦の歴史も加味すべきではあるが).
敵国の慈愛を隠すという目的だけのために.まして,隣人愛を説くキリスト教圏で.
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さて,映画に関してだが,淡々とストーリーが進むわりに感じるものはとても大きい.
一つには,ユダヤ人の虐殺といったホロコーストの悲劇を直接的に描いていないためだと思う.知らない人が見ればそれでおしまいだが,知っている人が見れば,見えない惨劇は何倍にもなって想像をかきたてる.言葉は軽いが,「チラリズム」が見事に活きて物語全体にリアリティを漂わせている.
そして一つには,上述したドイツ兵とのシーンがあるからだ.ホロコーストの絶望的な環境下にあって,まして敵も味方も無いような状況をくぐり抜けてきた主人公Szpilmanにとって,このドイツ兵とのシーンはあまりに温かく,慈悲深い.強いていえば,山場のこのシーンのあとのやり取りがもう少し比喩的に描かれていたら個人的にはニヤリだったかも知れないが,そこは映画を撮ったことのない自分がアレコレいえるほど簡単なものじゃないだろう.
脚本やストーリーもよく練られているし,音楽もさすがに凝っている(ように思う).映像にも妥協がないし,ホロコースト関係の映画の中では,かなり秀逸な作品だと思う.優等生すぎて,逆に少しクセが欲しいくらいだ.
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6 comments:
ま だ や る の か。
でもやっとみた映画がきた。そうか、原作にそういういきさつがあったとは知らなかった。
最後をChaplinで締めるのは「シンドラーのリスト」の段階で決めていたんだけど,ちょっと頑張りすぎました.書いてて微妙にブルーにもなるわ(笑).
テーマがテーマだけに,軽くはあしらえず長々と毎回書いてしまった…….まだ分からないけど,卒業旅行でもしかしたらアウシュビッツに行くかも知れないので,いい下準備にはなったかな(『夜と霧』も読んでるし).
本当ならベトナム戦争がらみの映画でも長々書きたいところですが,さすがに半月以上戦争の話題が続くとアレなので,ベトナム戦争関係はチマチマやっていきます.年末は舞台関係で締めようと思ってます.
こちらは、DVDになってすぐ購入。けれど、当初「シンドラーのリスト」のほうが、シンドラーの人間臭さが出ていて好きでした。さすがスピルバーグだなぁ。と、感じました。確か子どもを殺すシーンはなかったと思います。そこもスピルバーグ。
こちらは確か子どもが死ぬシーンがあったはず。。それがとても嫌いでした。
「見えない惨劇は何倍にもなって想像をかきたてる」
確かにその通りですね。
その辺はさすがにみるところが違いますね.ただ「シンドラーのリスト」は子どもを殺すシーンがあるんじゃないかなぁ……ゲットー解体のときに隠れていた子どもを銃殺するシーンとか.直接銃弾を浴びるような描き方はされていないと思いますが.逆に,「戦場のピアニスト」は惨殺シーンそのものが少ないので,ちょっと印象に残ってません.
シンドラーですが,こうした情報時代の申し子からみると,どうも広告くささを感じてしまいます.惨劇のインパクト,という意味ではとても深い作品だと思いますが.
来年早々にアウシュビッツに行くことが出来そうなので,もう少しホロコーストの歴史を勉強してみようと思います.
なるほどね。結構忘れているものも多いのかもしれませんね。
「戦場の~」では、確か塀の中と外を通りぬけようとする子どもが・・。いかに演技とはいえ、子どもの叫び声はたまりませんでした。。
「シンドラー・・」ひょっとしたら、アカデミー賞をどうしても欲しかった・・。というスピルバーグの心が、映画に見え隠れしているのかもね。
興味がある無しではなくて、私の子どもの頃は、こうしたホロコースト。少女マンガにも普通にありましたし、授業の一貫としての観劇鑑賞会にも「アンネの日記」は普通にありました。
原爆にしてもそうだけど、戦争がだんだん遠ざかっていってるんだなぁ。。と、感じますよ。
私と違って映画に頼らず、将来こういう話を自分の子どもにきちんとしていけますね☆
気をつけて行ってきてください! むちゃうらやましい~
ああ!そのシーンは分かります.でもあのシーンの一番の怖いところは,傷めつけたのが誰なのか見えないところかもしれません.
「アンネの日記」も見ているので,コレも書こうかなとか思ったのですが,さすがに10回もホロコースト関係書いてるとアレなので,それはまた別の機会に…….ホロコースト関係ではまだ少しストックがあります.
まぁ何というか,ホロコースト関係でこれだけ映画があるのに,原爆関係でまったくといっていいほど映画が無いあたりを見ても,恣意的な何かを感じないでもありません.
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