シンドラーのリスト スペシャルエディション [DVD]
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ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン (2006-06-23)
売り上げランキング: 14813
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今まであまり載せてこなかった戦争映画を取り上げていこう.まずは,Steven Spielberg監督の代表作,「Schindler's List」.就職活動にかこつけて初めて観た.Spielberg作品なのに,なんで観てなかったんだろ.
ホロコーストをモチーフにしたアカデミー賞作品.あえてモノクロの映像にアクセント程度に色彩を織り交ぜて強烈なインパクトを与える魅せ方,ゲットー解体を中心とした残酷劇を生々しく再現した映像,一つ一つのシーンに何重にも厚みを持たせる演出と演技,ところどころで印象的に響く音楽,これらどれを取ってもさすがといった感じだ.名匠Spielberg,おさえるべきワザを知っている,とでもいうか.
そして,何よりモノクロで古めかしさを演出したことで,この映画がホロコーストの真実として人々の脳裏により強烈に焼きつく,という功績を果たしたのも事実だろう.アカデミー賞作品であるなし,戦争映画であるなしに関係なく,この映画は色々な点で見る価値のある名作だと思う.
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しかし.
正直,多くの人が絶賛するほど,自分はこの映画を手放しに絶賛することは出来ない.
ホロコーストが虚構だったとか,そういうことは思っていない(一方で,ホロコースト否認派の主張も論理的には理解できるし,彼らを論破できるだけの十分な確証は無限に追い求めるべきだとも思う).世界大戦の歴史に関しては思うところあってよく勉強している方だと思うし,昨年の欧州旅行でも少なからず大戦の傷跡は見てきたつもりだ.
それでも.
この映画の,ラスト1時間.あまりに物語を創作し過ぎてはいまいか.手違いでアウシュビッツに連行される女性たち.シンドラーのゼロ生産経営.工場を発つシンドラーの台詞たち.そして……やって来たソ連軍の意味深な一言.前半2時間がいい意味で強烈に心に焼きつきながら進んでいくだけに,後半の茶番ぶりが残念でならない.
シンドラーを美化すること自体が悪いとは言わない.ただ,“ノンフィクション”として受け入れる(制作側が意図していないとしても)にはあまりにご都合主義過ぎて,偏屈な自分にはかえってこの物語すべてが虚構なんじゃないか,と錯覚させられてしまうような気がした.疑いを持たないプロパガンダのカモたちを感動させるにはこれでいいだろう.しかし,客観的かる冷静にこの作品を見つめたとき,この演出は今風に言えば“ヤラセ”にさえ見えるし,実際,シンドラーをめぐってはこの映画での美化や偽善をうったえる声も少なからずあるようだ.
そして,極めつけは工場跡にやってきたソ連軍人の言葉.“東にも敵が多く,私なら西へは行かない”……イスラエルを露骨に示唆し過ぎている.そして続くラストシーンには,エルサレムのシンドラー墓に石を供えるユダヤ人たちのドキュメンタリーシーンだ.自分自身,ユダヤ人にはEinsteinやそれこそSpielbergなど好きな著名人も多いが,それでも違和感を感じずにはいられない.
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Spielberg自身がユダヤ人であることもあって,彼の映画には反ナチズムが色濃く表れているものが多い(インディ・ジョーンズのシリーズなんかその典型).Spielbergの映画でなかったらかえってそういう余計な詮索なしに受け入れられたかもしれないが,この映画にはプロパガンダに近いアンフェアさを感じないでもない.ましてやこの映画の公開年,イスラエルではオスロ合意が結ばれた年である.
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