灰の記憶 [DVD]
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ハピネット・ピクチャーズ (2003-10-24)
売り上げランキング: 31657
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アウシュビッツ強制収容所におけるユダヤ人たちのストーリー.この映画を最初に見たのはもう5年も前になるが,自分の中でかなり上位の戦争ドラマ(よくよく振り返れば,自分の戦争映画の視聴率は異常に高かった).
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V.E.Franklの『Ein Psychologe erlebt das Konzentrationslager(夜と霧)』は,アンネの日記以上に世界的に評価の高いホロコーストの心理学的評論だ.この本はドイツ語版の原作を学部時代に読んだ.当時は文法を追うだけで精一杯で内容を吟味するなんてとても出来なかったので,いまになって邦訳版を読み返してみている(時間がないのでチマチマ)のだが,じわじわと響く衝撃作だ.
この評論のうったえることの一つは,ホロコーストが人種差別主義であったのが事実だとしても,アウシュビッツの中で行われていた残虐行為が必ずしも人種主義的なものではなかったということだ.延命と引き換えに同胞の殺戮に加担した狡猾なユダヤ人たちもいて,それを見て見ぬふりをしてきたユダヤ人たちがいて,そう,迫害を受けていたユダヤ人たちもまた,たちまちのうちに人間らしさを失っていったという心理学的研究録といっていい.
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『夜と霧』に関しては後日また書き留めておくとしよう.話を映画に戻すが,この「The Grey Zone(灰の記憶)」は,こうして延命と引き換えにユダヤ人の虐殺や始末に加担したユダヤ人たちの物語である.
極限状態において同胞を見捨ててまで生にしがみついていた男たちが,ガス室で奇跡的に生き残った少女を助けることで,生について問いなおしていく.その結末は,あまりに絶望的ではあるけれども,人種や民族という枠組みからいったん距離を置いて,人間とは何かを真摯に考えさせられる.
しかし,この映画を半年前に見直してみて,そしていまFranklの『夜と霧』を読み返してみて,この映画に物足りなさを感じずにはいられない.
この映画に登場する男たちはみな,同胞の虐殺や死体処理に加担してはいたけれども,決して尊厳を捨ててはいなかったからだ.物語冒頭で同僚を殺した男もまた,同僚の尊厳死という明白な意図を持っていたことが物語後半で明かされる.物語の中心的話題である,焼却場の爆破計画にいたっては,もはや迫害の象徴的存在を打ち壊すという民族的誇りに満ち溢れている.そう思うと,結局,少女の存在はこの物語において,男たちにあまり大きな変化をもたらしていないように見えてしまう.
より残酷にはなるだろうけれど,男たちはFranklの説くような無感情状態に既に陥っていて,尊厳も誇りも何もない,そういう状態に少女が人間としての潤いを取り戻させる,といったファクターがないと,この映画の本当に訴えたかったことが却って見えにくくなってしまうのではないだろうか.
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とはいえ,見ないでおくにはもったいない映画.世界大戦の欧州を描いた映画の中では,ナチスとユダヤ人のお決まりの構図にしばられない異色の佳作.
“文部科学省選定”という売り文句は正直,ジャマ.あと,日本版のパッケージの美少女は誰だ.アメリカ版のパッケージと違い過ぎる.
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2 comments:
重すぎです・・・気合も入りすぎ・・・
春に見たってのが多いけど、ナチス関係の映画を半年前にみまくる必要なんてあったのか?
ナチスっていうか,ヒトラーは世界史上もっともプロパガンダに成功した奴だからな.広告論の教科書に書いてるようなことをことごとくナチス政権が政策として実行していたことを考えれば,ケーススタディとしては最高の教材だと思う.
まぁ,あんまりこの話題振り過ぎると誤解されそうだけどね…….まだ3つか4つくらいこの手の映画のレビューを書いておこうと思ってるけど,今週は忙しすぎて無理.今夜だけで100個くらい積分と微分方程式計算した.しかも実験との整合性がイマイチ.死にそう.
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