2009/10/15

Pi (1998)

π(パイ) [DVD]
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東芝デジタルフロンティア (2002-02-22)
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 一般人から見れば限りなく数学的なリアリティはあると思うけれど,いざ数学に近いところにいる人間から見たらオカルトでしかない.映像や世界観には独特の雰囲気があって良かったけれども,期待したほど深い内容ではなかった.

 森羅万象は数字で記述でき,数字には必ず法則が存在する,という仮説(という名の信念)の下,主人公はある216桁の数字の深みにはまっていくわけだが……とてもその思考が数学的とは言えない.主人公は株価の変動予測に至っては,痛々しくて目も当てられない.

 そう,字幕では盛んに「数字」という表現が為されていたけれども,この訳はたぶん的確だ.この映画の根本的な安っぽさは「数」ではなく「数字」の規則性を主軸に置いてしまっている点にある.森羅万象の法則性は,たとえ整数論に準拠するものだとしても,10進数や実数に固執する理由はどこにもない.並んだ数字そのものではなくて,数としての本質に全くと言っていいほど触れていない.あまり好きな映画ではないけれど,「Beautiful Mind」の方がよっぽど理系には見やすい映画だと思う(ドキュメンタリーなので当然と言えば当然だが).

 この映画の良さを挙げるならば,映像と音楽.モノトーンの映像に不快な機械音とテクノミュージック(Aphex Twinも使われていたよう)が,映画全体の輪郭を強調している.あと,小ネタとしてはヘブライ語と数字の対応の話は,「The Da Vinci Code」的な面白さがあって良かった.

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