- ウイリアム・ケントリッジ―歩きながら歴史を考える
- 京都国立近代美術館
広告がとても印象的で,前々から観に行きたいと思っていた美術展.連休を利用してやっと行って来た.徒歩5分の近代美術館なのに,だいぶ遅くなってしまった.今年は美術展,演劇,音楽などなど,就職活動をきっかけにかつての芸術熱を取り戻した言わば,自分の中での芸術ルネサンス年だった.訪れた美術展は軽く二桁を超えるのに,どれもとても質の高いものだったと思う.
そんな中にあってなお,この美術展のセンスは今年最高級だった(と思う).モノクロの色遣いだというのに,いや,モノクロだからこそモチーフの力強さが限界までにじみ出ている.木炭やポスターカラー,コラージュなど,素材や手法の使い方も絶妙.帰りがけに,スケッチブックを買ってしまった.
美術の手法という点でも,多くの現代美術ほど自由過ぎず,近代美術ほど歴史にこびず,一貫してアイデンティティを感じる作家だったけれども,モチーフの選び方や,映像の演出がまたいい.前に見た,Renoir Jr.の映像には全く魅力を感じなかったのに.基本的に,この美術展は映像と美術が半々といったところなのだけれど,William Kentridgeの作る映像には,現実と空想の壁を完全に壊してしまったようなインパクトがある.現実から,どういう瞬間的な思考を経て芸術に昇華されるのかが,映像の中で感じ取れるようだ.
日常的な光景や歴史的な映像を思いつきや好奇心でいじくりまわす,そうして出来た作品たちは,まるで子供のような遊び心に満ちている.彼にとって,日常生活そのものが,大きなおもちゃであるかのようだ.こういう気持ちは,自分も日常生活の中で常に意識しているつもりだし,感じていたいけれども,こうしてアウトプットすることが仕事に出来るって,本当に素敵だなと思う.もう一度少年時代からやり直せるなら,ぜひとも美術や映像,演劇といった世界に飛び込みたいと改めて思わされた.
うーん……うちの学生は提携の関係で企画展も250円.今週末,もう一回行って来ようかな…….


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