2009/10/05

トリノ・エジプト展―イタリアが愛した美の遺産―

 東京都美術館で開催されていたトリノ・エジプト展.トリノにあるエジプト博物館のコレクションが来日しているというだけの美術展で,雨の平日という事もあってガラガラだと思っていたら,中高年の人足が異常に多く,あわただしく出て来てしまった.

 美術展の面白さは,一つのテーマに沿って美術品が集められるところにあると思う.

 CDの世界で,普通のアルバムがアーティストのテーマに沿って作られているのに対して,ベストアルバムがその中の選りすぐりだけを集めたものになっているのとは全く逆に,美術の世界では,選りすぐりの作品のベストアルバムになっている美術館に対して,美術展が作者やテーマで芸術を終えるアルバムに近い性質を持っていると思う.

 そういう意味で,このトリノ・エジプト展は今一つ物足りなかった感じ.もちろん,一つ一つの展示品は歴史もある素晴らしいものが多いのだけれど,それなら単純に,トリノに行けばいいのだ.
 尤も,トリノのエジプト博物館は既に「エジプト」という一つのテーマで作品を集めた美術展なので,「ルーブル美術館展」や「メトロポリタン美術館展」というのとはまた意味合いが違いはするのだけれど,むしろ,今回来日していない展示品の意図を汲めない分だけ,この手の美術展はマイナスですらあるかも知れない.

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