マダム・エドワルダ/目玉の話 (光文社古典新訳文庫)
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バタイユ
光文社
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映画「Before Sunrise(ビフォア・サンライズ)」の冒頭の電車のシーンで,Julie Delpyが読んでいるのがこのバタイユの『マダム・エドワルダ』.高校時代にバタイユがやたら好きな先生がいて,教科書を一度も開かずに数週間に渡ってバタイユのエロティシズムについて語ってくれたのはよく覚えているのだけれど,実際に読んでみるとなるほど凄まじくエロティックな作品.下手な官能小説よりも生々しく,それでいて美しいと言えるような魅惑的な一冊だった.
特に,タイトルにもなっている「マダム・エドワルダ」は短編で,本にして30ページ足らずの作品ではあるものの,娼館で出逢ったマダム・エドワルダとの肉体関係を通じて,男女の境界線,人間同士の境界線,人と神との境界線を読者に問うていくような奇妙なストーリーは強烈なインパクトを残す.況して,仮にもキリスト教圏のフランスで70年も前に娼婦と神とを同一視するだなんて,あまりにセンセーショナルな作品だと思う.短い文章の中に凝縮された明確なエロティシズムと曖昧な人間観は,小説や映画で表現されるべきものではなく,むしろ絵画を通じて観るものに近い.まさに,読み終えた後の感触はといえば,物凄い迫力の宗教画を長い時間見続けた後のような恍惚感がある.



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