2010/05/05

Gran Torino (2008)

グラン・トリノ [Blu-ray]
ワーナー・ホーム・ビデオ (2009-09-16)
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 Clint Eastwood監督・主演の「Gran Torino(グラン・トリノ)」.観る前からまわりの前評判が良くて,5人くらいからすすめられ,観たのは今年の年明けくらいか.

 この作品のテーマとして,暴力への反対であるとか,人種差別への批判であるとか,アメ車のPRであるとか,そういうことが言われているようだけれども,正直,そういうところにはあまり惹かれなかった.この作品で一番いいなと思ったのは,頑固で偏見のかたまりのような老人が,ひょんな縁から近所の少年を懸命に育てていくという世代交代の構図が見え隠れしたところだ.
 「近ごろの若者は……」とついつい言われがちな社会.しかし,そんな台詞は現代でなくとも何百年も前から使い古されていたはずで,ジェネレーションギャップは文化を持つ人間のいわば宿命といってもいい.そんな中で,相手に気付き,相手を理解し,相手に伝え,相手から学ぶといった基本的な人間関係が築かれていく過程が,とても温かかった.

 一方,この作品が傑作かといわれれば,個人的にはNO.この作品の最大の見どころであるギャングへの復讐シーンは,自分のまわりの人間も含め,多くの感動を呼びこんだようだ.ところが,自分の場合,この手の報復の方法はそもそも一番最初に考えてしまう手だったりする.そういう意味で,この作品のクライマックスは,自分の予想を一切裏切らない平凡なものにしか映らなかった.
 元々,暴力に訴えるのは得意でもないし好きでもない.出来るなら争い事からは全力で逃げるし,ここ10年くらいはまともに怒った記憶だってない.そんな中で,心の底から怒ることがあるとすれば,それは自分のためではなく大切な誰かのためで,そんなときも,自分は一番建設的なやり方を選ぶのだと思う.

3 comments:

hiromasa さんのコメント...

多くの人にとってこの映画の復讐シーンが感動的と映ったのは意外だな…自分にとっては男同士の社交をさりげなく教えるイーストウッドのカッコよさ、モン族の少年がコワルスキー爺さんとの交流を通じて成長していく姿、やはり人と人が人でしか成長できないというテーマが映画全体に流れているところが素晴らしかった。女性と異なり、強制されながらでないと男になれない男性という性を見事に描いた作品だとも思うなぁ。モン族のアメリカに翻弄された歴史に思いを馳せるとさらに涙が…

yuka さんのコメント...

たぶんね・・。多くの人は正直、自分にはぜったいできない報復の仕方なんですよ。女性の私なら銃で自分の遺体に穴があくなんて考えただけでもゾッとします。撃たれた瞬間、痛いだろうなぁ。って思います。即死の時の自分の表情まで考えちゃいますよ。

私はラストシーンで結構全体を観ちゃいますので、少年が助手席に犬を乗せて運転していたシーンはどうも車のCMのような・・。(笑)

Lune さんのコメント...

>>hiromasaさん
 先日,友人からモン族とアメリカの歴史の話を聞いてから,もう一度観たいなと思っています.そういうバックグラウンドを考えながら見ると,家に招待されたシーンやギャングたちの暴挙一つ一つも,違った見え方がするかもしれませんね.

>>yukaさん
 もちろん自分にも絶対できないですよ(笑).考えつくこととそれを実行することは違います.ただ,予想を裏切るストーリーではありませんでした.

 おっしゃるとおり,日本車とアメ車の対比は,良くも悪くも面白かったです.日本人が作ったら作ったで,やっぱり日本車をイチオシする作品になるのでしょうから,そのあたりは愛嬌くらいに感じてます.むしろ,アメ車に全く関心のなかった自分は,アメ車も捨てたモンじゃないのかな,と思い直させられた部分も.

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