半年前に観た映画.今年観た中ではベスト10には入るかも.近年の歴代アカデミー賞作品は,この春まとめて見漁った.たまにはその頃の映画のレビューも書きためておこう.
人種や国籍による差別というテーマやメッセージは誰もが分かる.大事なのは,それを自問自答できるかどうかだと思う.
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自分は人種や国籍で人をみてはいないという自負がある.そういう大きなカテゴライズに意味がないと思っている(新興宗教に対してはクラスタリングに妥当性があると思うし,ある程度は警戒はするけれど).
最近,政治的な影響もあってか,日本人によるアジア系の人達への誹謗中傷を目にすることが多い.別に中韓を愛しているとは言わないが,ここまで卑しい反応を見せる理由が自分には正直,理解できない.この国の元来の美しさを知ろうともしないで,他人から聞いた受け売りと,まわりの空気だけで,いつの間にか反発の輪に加わってしまっているだけじゃないのか.
自分の場合,愛するものが少な過ぎることの裏返しかもしれない.ただ,怒れる人達,憎める人達は,それほどまでに何かを愛しているのか.じゃあ結局どうしたいんだ,という解決策も持たないままに狂気をふるうこの国の空気の方にこそ,最近じゃ嫌気がさしてしまっている.
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そもそも,例え何かの因果があったとしても,それを同じ因果で返そうとする姿勢そのものがナンセンスだと思う.相手を引きずり下ろすではなく,自分が上に登ったり,相手に手を差し伸べることで補完していく方が,なにごとも円満に進んでいきそうなものだけれど.
ただし自分は,人種や国籍,学歴でフィルタをかけない代わりに,同じ条件下での人の実力や引き出しの広さ,考え方の柔軟性などなど,内面的な部分ではちゃっかり優劣をつけている.それはそれで,悪いことだとは思っていないけれども,実際のところどうなんだろ.基本,来るもの拒まずな自分と似ている性格を選り好みしているだけのエゴだとも思うけど.
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映画の話をしよう.この映画,「Love Actually(ラブ・アクチュアリー)」と似たような構図のドラマになってて,登場人物たちの相関がやや強過ぎる気はするけれども,それ程にこの社会には,人種差別がはびこっているということの裏返しなのだと思えばいいか.
この映画のいいところは,最終的に人種差別の無意味さをその淡々とした脚本と音楽とで如実に悟らせるところであり,逆に悪いところは,エンディングの心地よさに酔ってその戒めが美化され,忘れ去られてしまうところだ.
この映画の叫びは,脚本の台詞の中ではなくて,むしろ声に出してあらがえなかった人達の無言と,あとから過ちに気付かされる人達の苦悩と,そして観る者すべての経験の中にこそある.
地球の裏側で起こっている人種差別のドキュメンタリーとして見捨ててしまうには,あまりにもったいない作品だと思う.
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