- ボルゲーゼ美術館展
- 京都国立近代美術館
Raffaello来日,しかも歩いて5分とあれば行かないわけにはいかない.本当は初日に行く予定だったのだが,入用があったので文化の日に朝一番で行って来た.今回の美術展で目玉になっているのは,Raffaelloの「一角獣を抱く貴婦人」.イタリア未踏とは言え,今までRaffaelloの絵は色々なところで見て来ているので,その中で特別インパクトのある絵だとは思わなかったけれども,不自然に描きかえられたものを修復によって取り出すことに成功した,というプロセスは面白い.上塗りされた絵と元絵のどちらに価値を置くか,というのは難しい判断だと思うが,この絵に関しては素人目にも下絵の方が優れている事は明らかだった.
Raffaelloの絵の中ではわりときめの細かいタッチで描かれたものだと思うけれども,表情や服装にトコトン凝っているのとは対照的に,背景や部屋の描き方がものすごく雑で,実際の視覚に忠実なのが良かった.
全くの余談ではあるけれども,この手の女性の肖像画で今まで見たものの中では,高校2年の冬に横浜で観たda Vinciの「白貂を抱く貴婦人」が断トツだ(この夏に自転車で京都に来ていて,すれすれで京都で観られなかったので横浜でリトライした形).というより,Vermeerの「真珠の首飾りの少女」「リュートを調弦する女」と並んで,今まで見た絵画の中で三強といっていい.ルネサンス系の画家の肖像画は,いつもこのda Vinciと比較してしまうのだけれど,いまだにこのda Vinciのインパクトを超える絵には出逢えていない.
ところで,今回の美術展で一番印象的だったのはJusepe de Riberaの「物乞い」.この画家の名前も知らなかったので,メモして帰って来たのだけれど,この絵の黒赤の色彩と,濃厚な絵具加減は,もう何というか,「熱」を感じずにはいられない.光熱を発する直前まで熱せられた鉄のようで,近付くだけで空気が重くなるような迫力.タッチや構図ではなくて,色遣いでグッと来た作品は久し振りかも.
この絵の為だけに,図録を買おうか相当迷ったけれども,「美術館展」であるならば,いずれボルゲーゼ美術館現地に行って,現地の英語版ないしはイタリア語版を買った方がよっぽどいい.というわけで,今回はパス.Jusepe de Ribera(José de Riberaとも)という名前は覚えておこう.
そんな美術展だったが,例によって,「美術館展」というジャンルの美術展はやっぱり現地の美術館に敵わないと思う.それこそ,名画のワンシーンだけ(それも名シーンかどうかは分からない)を切り取って見ているのと同じで,Borgheseがどのような思想を持ってこれらのコレクションを集めたのかまでは見えてこない.いずれはボルゲーゼ現地へ.


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