2009/09/02

Information Antenna #1

 知らない事を理由も無しに批判したり嫌ったりするのは好きじゃない.完全にとは言わないけれども,自分自身,特に意識しなくても実際そうしていると思う(尤も,この記事が批判だと言われてしまったらそれまでなのだが……).

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 年をとればとるほど,受け取れる情報量が少なくなるのに並行して,若い世代の情報に触れる機会が少なくなるものだから,年配者ほどある種の恐怖感から未知のものを頭ごなしに批判したり嫌ったりする傾向が強いように思う.
 自分の偏見でしかないが,都会の人が何事にも受容的で,地方の人が新しい価値観に消極的であるのも同じ理由からではないだろうか.

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 少し余談を.

 我が家で最初のPC(NECのValueStar)を導入したのは,自分が小学6年生の時の事だ.昔はプログラマとして働いていた事もある母だったが,新世代のPCはゲーム機と同じという認識だったらしい.中学時代,自分がコイツでテスト前に勉強用のノートを作っていたら,内容も見ずに不機嫌になって「パソコン1週間禁止」を言い渡された事がある.高いマシンを壊されてしまっては困る,という意味もあったかも知れないが,母のこういう理不尽さは昔から悩みの種ではある.

 同年代の友達で,同じ頃にパソコンを使い始めたという友人は,逆に親からお下がりでサーバ構築やらプログラミングの本を貰って,興味本位でいじくり回した結果,今やGoogleの研究員だ.

 自分が同じ環境にあってもそこまで計算機にのめり込む事は無かっただろうし,逆に人生観の豊かな母のお陰で出来たいろいろな経験(旅とか芸術とか)が今の娯楽の柱になってもいるので別に不満は無いのだが,あの時のパソコン禁止令が一つ若い芽を摘んでしまったのは間違いないと思っている.

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 話を本筋に戻そう.

 適切に情報を選別できる力さえあれば,有益な情報は多ければ多いほどいい.但し,量的な問題だけではなくて,その質や発信源も重要だ.自分達の世代でまともに情報を選別出来ている人達から見たら,今のテレビの情報がいかに一方的で偏ったものか(更に言えば何故そうなのかといった裏社会の構図まで)生々しく見えてしまうが,いわゆるテレビっ子から抜け切れない人達は,テレビからの情報が絶対の情報だ.テレビ一方向からの情報は,テレビっ子を盲目にしてしまう事もある.

 情報の怖いところは,本来,情報が事実のある一面を隠してしまう性質を兼ね備えているにも関わらず,それを悟らせない事だ.

 例えば,ある著名人がブログに日記を書く.その著名人のファンは,毎日その日記を読み,あたかもその人と時間を共有したような充実感さえ覚えるかも知れない.
 ところが,仮にその日記が事実だったとしても,日記に書かれている事なんてその著名人の生活の高々10%程度のものだったりする.10%では確かに誠実で分別のある人物がいたとしても,その裏で裏金工作に必死に駆け回っていたり,美人アイドルの枕営業を受けていたりするかも知れない.

 一方,ファンにしてみれば著名人の日常を知る情報のアンテナなんてこの日記の他に無いものだから,10%の姿をその人のすべてだと錯覚してしまう.

 そして更に怖いのは,世の中の大多数の人間がこの錯覚に陥ってしまった時,隠された一面は得てして多数決の法則に屈し,闇に葬り去られてしまう事だ.

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