声優のキャスティング以外はとてもいい映画だったと思う.ただ,今風のネットワークとかユビキタス社会になじめていないジェネレーションギャップ層には,その魅力がほとんど伝わらないとも思う.
自分の専門分野に近いモチーフだったので,少しアカデミックな話題を.
この映画では情報を欲しがっているラブマシーンが次々とアカウントを乗っ取って行くわけだけれども,アカウントが情報量と同等に扱われているあたりに違和感があった.ただ,作品の中でアカウントは現実世界での権限とほぼ同等に扱われているらしいので,集めた情報が結局のところ現実社会の人間の情報そのものだと思えば,人と人とのつながりをテーマにしたこの映画の結論と矛盾しないし,自己完結したハイクオリティなコンセプトとも言える.
一方で,個人的にはコンピュータには人間に不可能な仕事を代替するようなポテンシャルを期待したい気持ちもあって,技術屋としては少し物足りなさも感じないでもない.
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おばあちゃんを中心とした家族のあたたかさやつながりの深さがとてもよく描かれているのに,最終的にラブマシーンと対峙する場面で,結局,家族もネットワークも同等につながれてしまうというトコロで色々考えさせられた.
血縁は確かに大切だけれども,血のつながりが無くても人はみな日々の生活や触れ合いの中でどこまでもつながりを持っていて,結局のところ「人類みな家族」なんだ,と解釈したらいいんだと思う.
家族とか地域とか国とか宗教とか,そういうものは計算機的なクラスタやパーティションで分けられるものじゃなくて,その境界はとても曖昧でおぼろげだ,というのがこの映画の導くこたえじゃないだろうか.
そういう考え方は,自分の考え方ともオーバーラップしていて好きだ.
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と,いろいろ注文や考察はつけられるけれど,単純に,心温まるいい映画だった.モチーフがモチーフなだけに,研究のネタとしても色々と考える余地があったというだけの話で,作品としてはキャスティングをのぞいて文句なし.
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